9条連ニュース/156号 PEACE 


 沖縄からの発信 No.2

軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議

 
人間らしい安全な毎日を送るために、女性たちは集う
   2007年9月10日〜15日 サンフランシスコ

沖縄9条連共同代表  源 啓美(みなもと ひろみ) 

 軍隊を出す側と被害側が一堂に、きっかけは沖縄の女性たち
 
アメリカと、アメリカが軍隊を派遣している4カ国8地域(アメリカ、フィリピン、韓国、日本、プエルトリコ、グアム、沖縄)の女性たちが集うこの「アメリカ・東アジア女性ネットワーク会議」のきっかけは、沖縄の女性たちだった。
 1995年に少女暴行事件が起こり、米軍基地があるが故に沖縄で何が起こっているのか、アメリカの市民に直接訴えるピースキャラバン「武器によらない国際関係を求めて」を、沖縄の女性たちは行った。
 世界平和の為にと世界中に送り出している自国の軍隊の実像を知って、衝撃を受けたアメリカの女性たち。軍隊を送り出している側と、米軍によって被害を受けている側の女性たちがつながり合う必要があると、翌年からアメリカ・東アジア女性ネットワーク会議が隔年で開かれるようになった。
 この会議の目的は、軍隊の構造的暴力と日常の中に潜む軍事化に気づき、平和を創造すること。そのための行動と課題を話し合うことです。
軍隊は構造的暴力・差別の連鎖
 今年10月広島・岩国基地で起こった米兵による集団強姦事件、韓国での女性惨殺事件、ハワイにおける米兵家庭のDV問題など、米軍による基地被害は、各国・地域とも同じような状況で起こっており、軍隊という組織が構造的に暴力を生み出していることが改めて浮き彫りになった。
 その根底にはマイノリティや女性への差別や偏見があり、ジェンダーの視点が重要である。
基地がもたらすすさまじい環境汚染
 基地の環境汚染でも同じ構図が見られた。
 フィールドワークで訪れたサンフランシスコの環境保護団体・アークエコロジーによると、米軍基地は、国内外ですさまじい環境汚染を引き起こしている。
 特にアフリカ系アメリカ人など貧しい人たちの地域ほど深刻で、 近くの川から魚を採って食べてはいけないと、形だけの立て札が立っているのを見た。
 白人地域では、返還後すぐに合衆じょうか国の予算で環境浄化が行われているという。
 プエルトリコの参加者は、返還された基地の汚染被害で、本人を含めて家族が3人もガンを発症したと報告した。合衆国の予算でできた癌センターがあり、無料で治療が受けられる(暗に基地との因果関係を認めている)が、そこは島の外にあって、貧しい先住民の人たちは診療が受けにくい。
 グアムやフィリピン、韓国、沖縄からも、似たような基地の環境汚染の状況が報告された。
 米軍再編のまやかし苦しみを強いられる人々
 
グアムやプエルトリコでは、アメリカの属州として合衆国からの膨大な軍事費や援助に頼る経済状況下、コミュニティが分断され、自分たちが強いられている差別や植民地主義にも気づかないほど、日常の軍事化が浸透している。
 ハワイでは、貧困から抜け出すために軍隊に入ることを余儀なくされた先住民の若者たちが、軍隊の訓練で人を殺す術を覚え、人間性を失っていく。
 「兵士に変えられた若者を、人間に戻すための教育プログラムが必要だ」と悲痛な声が響いた。     沖縄の負担軽減を隠れ蓑(みの)に、グアムやハワイへの基地の移転が、平和運動の側からも言われるが、移転先で基地被害に苦しむのは、私たちと同じ立場の人たちであることを、忘れてはならない。
 軍事化への経済的、文化的、社会的抵抗と回復
 ハワイには、貧しくて公立の学校に入れない子どもたちが多く学ぶチャータースクールと呼ばれる学校があり、ここでは、先住民族のことばや、基地に奪われた先祖の土地を取り戻す運動の歴史などもカリキュラムに組まれハワイの文化や歴史を学ぶことができる。
 グアムのチャモロの人たちも、本来、その土地にある植物や魚を食べ、土地のことばで詩を作り朗読会を開くなど、伝統的な文化、芸術、祭祀を見直す活動を模索している。
 独自の文化や歴史、自らの存在に誇りを持つこと。それが軍事化に抗し、長い間基地として使われ毒されてきた自然や人々の心を癒し回復させる力になるからだ。
 つながる―平和は創造力
 アメリカを頂点とした力による安全保障は、軍隊という暴力構造の刃が、マイノリティ民族、女性、子ども、そして環境と、より弱い方へと向けられていく。
 踏まれたものでなければ、その本当の痛さはわからない。
 マイノリティ、ジェンダーの視点からこそ、本当の平和が見えてくるのだ。その意味で、女性たちがつながりあう「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議」の意義は大きい。

 

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第9条 【戦争の放棄,軍備及び交戦権の否認】
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