9条連ニュース/158号 PEACE
沖縄からの発信 No.4 「OKNAWA」の日常
なかむら みお (沖縄市議会議員、沖縄9条連共同代表) 多発する米軍人絡みの事件 私の住む沖縄県沖縄市では正月早々、米兵によるタクシー強盗事件が発生した。 1月7日未明、タクシーに乗車した二人の米海兵隊員が、住民が寝静まる閑静な住宅街へと車を案内させ、運転手をウィスキー瓶のようなもので殴りつけた。運転手が車外に逃げた後もさらに 、この米兵二人は瓶と棒を持って追い回し、暴行を加え続けた。運転手の悲鳴を聞いた住民が勇敢にも表へ出て駆け寄り、警察に通報したため、現場から逃走した容疑者はまもなく逮捕された。 これに先立ち、昨年10月には、同じく市内で女性暴行致傷事件が発生している。嘉手納(かでな)空軍所属米兵の息子が 10月1日未明、客を装って入った飲食店内で従業員女性の顔面をビール瓶で殴り、強姦するという事件を起こした。 米軍人絡みの事件は数々ある。沖縄市基地政策課によると、市内における過去5年間の米軍人、軍属、家族による暴力事件等の犯罪検挙数は、2003年度 31件、04年度11件、05年度17件、06年20件、07年度17件(08年1月現在)の計96件。 「その場しのぎ」の日米政府 この事態を、沖縄だから仕方ない、去る大戦によって米軍に占領され、日本復帰した後も極東最大の米空軍嘉手納基地を抱える街なのだから、凶悪犯罪が頻発するのは当然だ、と日本政府は思っているはずだ。 事件・事故発生のたびに我々は抗議の声をあげ、議会としても意見書及び抗議決議を行い、米軍と日本政府へ、その解明と実効性ある再発防止策を求めてきたが、その対応は「その場しのぎ」と決まっている。 県民の怒りのマグマが噴き出さない程度に「遺憾の意」を示し、しかし本質的には何も変えない。 特に在日米軍、米軍人等の特権的地位を保障した「日米地位協定」などは、どんなに改定要求が高まろうとも、日米両政府は一行たりとも触らぬ決意である。 沖縄の「扱い」方 記憶に新しいのが、2004年沖縄国際大学に堕ちたヘリ事故の顛末(てんまつ)ではないだろうか。 事故発生時から事故機残骸の撤去に至るまで、地位協定を盾(たて)にされた沖縄県警は現場に立ち入ることさえできず、大学関係者もすべて締め出され、海兵隊に封鎖された。 合同捜査を拒否された県警は数週間後、米軍が去った後に周辺目撃者からの聞き取りによって被害状況を確認。最後まで事故機を操縦していたパイロットの名前すら、特定できなかった。 これに対し、日本政府が毅然とした態度で抗議するなどということはなく、あろうことか時の首相は、事故の一報を受けても趣味に興じていたということが発覚した。 そんな県民の「扱われ方」をみれば、米軍には、沖縄が今も占領地に見えるはずである。 「占領地の人々」に対する傍若無人(ぼうじゃくぶじん)、人権を無視した振る舞いの根っこに、そんな目線を感じずにはいられない。 ひきかえ、米軍への厚遇は申し分なく、日本政府は古くなった普天間基地の代わりに最新鋭の基地も造ってくれるし、グァムへの移転費も出してくれるという。一方、県民には、償いのつもりか、懐柔策か、基地を容認する態度を見せると振興策に対する補助金が下りてくる。反対すれば下ろさない、という仕組みを露骨にしたのも、昨今の行政の特徴だ。 夢の島、OKINAWAは21世紀も軍事パラダイスであり続けるのだろうか。 今朝も早々から、市民の頭上を戦闘機が飛び交い、爆音を撒き散らしている。 (追記) 暴力の行方 原稿を書き終えて後、最悪の事件が起きた。 2月10日夜、14歳の中学生への暴行事件が発生した。 38歳の海兵隊員に連れ去られた少女は車から降ろしてもらえず、友人への「助けて」の電話を最後に連絡がつかなくなった。少女は車内で暴行され、その後車から降ろされ、公園でうずくまっているところを県警に保護された。被疑者は 12日現在、容疑を否認している。 1995年の少女暴行事件以来、結局、何も変わっていない。暴力の連鎖は、いちばん弱い者へと向かう。それが「沖縄」であり、「岩国」であり、「少女」である。 基地を受け入れなければ、補助金はやらない、といじめぬかれ、選択を迫られた住民は痛々しく分断される。挙句(あげく)のはてに、人間の尊厳までもが侵される。 安全保障の足元で、日米のパートナーシップの名の下で、その代償として払われる、小さな島の日常の悲劇はしょうがない、とあなたも思いますか?
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「新聞報道に見る 沖縄の 米軍基地と住民」 「戦争のないもうひとつの 世界は可能か」 平和のために −伊藤成彦講演から 「平和を育てよう」 −藤井治夫講演から 「第九条が輝く21世紀を」
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