9条連ニュース/155号 巻頭言


憲法第9条こそは 恒久平和と生活繁栄の原理だ
 

中央大学名誉教授・9条連代表 伊藤成彦
             

東北アジアの平和体制の展望
 10月31日に私は、韓国のソウルで開催された「東北アジアにおける新 しい平和体制の創造に向けて」と題した国際会議に招かれて、「日本から見た東北アジアの平和体制 の展望」という報告を行った。
今、こういうテーマの国際会議が開催されたのは、10月3日に北京 で6国協議の合意文書が発表され、また10月3日と4日には平壌で盧武鉉(ノムヒョン)大統領と金正日(キムジョンイル)国防委員長の首脳会談とその結果の南北共同宣言が行われて、核兵器問題の解決と南北対話の進展という両面から、東北アジアの新しい平和体制への展望が開けてきたからだ。
実際、6国協議の合意文書では、ヨンビョン北朝鮮・寧辺の実験炉、核燃料施設の無能力化 を07年12月31日までに完了することと同時に、米国が北朝鮮のテロ支援国家指定の解除や、米朝国交正常化の準備を行うことが具体的に約束された。
また「南北共同宣言」は、「現在の停戦体制 を終息させて、恒久的な平和体制を構築すべきだという認識を共にした」ことや、「南北関係の拡大 と発展を民族の念願に即して解決するために、両側の議会など各分野の対話と接触を積極的に進めて いく」ことを宣言している。
こうして朝鮮戦争と冷戦を終結させて、東北アジアに恒久的平和体制を構築する展望がようやく開けてきただけに、国際会議では、平和体制の構築方法について具体的な提案と活発な議論が行われ、私は、日本の憲法第9条こそは東北アジアに平和体制を構築する上で不可欠な原理だと指摘して、賛同を得た。

自衛隊の海外派兵は時代錯誤
 
そういう討論から日本に帰ると、 小沢民主党代表と福田首相が突然首脳会談を行って、「国際平和協力に関する自衛隊の海外派遣は、 国連の活動に参加することに限る」という小沢氏の持論に首相が賛成したので、自民党と大連立政権 を作ると主張して大騒ぎになっていた。自民党にせよ小沢氏にせよ、自衛隊を派遣することが国際協力だとしか考えられない時代錯誤と発想の貧しさには、呆れる他はない。憲法9条で国際貢献を今、 アジアでもその他の地域でも求められていることは、恒久平和を築くために、軍事費から資金・資源 を解放して人々の暮らしを豊かにすることで、憲法9条の原理を伝えることこそが最大の国際貢献だ ということに、日本の政治家たちはもっと大きく目を開いて欲しいと思う。
 

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