憲法9条-世界へ未来へ 連絡会

憲法9条-世界へ未来へ 連絡会

「かにた婦人の村」施設長・五十嵐逸美さんから貴重なお話を聞きました

 イワカガミ(千葉県)

 第2次世界大戦下、日本軍の東南アジア侵攻にともない、軍主導で「従軍慰安婦」という公娼制度がつくられました。戦後、売春で生計をたてざるを得なかった女性の保護、更生、社会復帰のため1956年に制定された「売春防止法」にもとづく保護事業が行われました。「かにた婦人の村」を創設した深津文雄牧師は、日本軍による従軍慰安婦の存在を知り、社会復帰が困難な女性たちの共同生活の場として1965年「かにた婦人の村」を開設しました。そして開設と同時に入所した城田すず子さんが申し出て、日本軍による戦時性暴力の犠牲となった仲間たちの無念を継承するため「噫従軍慰安婦」の慰霊碑が建てられました。
 「売春防止法」にもとづく保護事業は、人権の視点がなく「矯正すべき対象」とみるという問題点があり、2024年4月より施行される「女性支援新法」では、福祉的支援を明確化し、被害からの回復支援が明記されました。しかし、新法制定によっても、支援の問題は山積しています。また、「日本軍慰安婦」の存在を否定したり、若年女性を支援している団体への活動妨害などの動きも顕著となっていることへの危機感を五十嵐さんは訴えています。現在、「かにた婦人の村」では、建物の老朽化や、利用者の高齢化などによる建て替え工事のための支援を呼びかけています。「かにた婦人の村」の現実と五十嵐さんの危機感を共有し広めてていくことが重要だと感じました。