9条連・近畿は7月1日、天満PLP会館にて55名の参加のもと学習会を開催した。
今回のテーマは「『台湾有事』を想定した南西諸島への自衛隊基地強化と島の現状」について、新聞うずみ火副代表の栗原佳子さんよりお話を伺った。
南西諸島では、2016年3月与那国島に陸上自衛隊の沿岸監視部隊が配備され、その後自衛隊基地が宮古島、石垣島に配備されてきた。昨年末の安保関連3文書改定から「反撃能力の保有」を打ち出した岸田政権は、ミサイル防衛を強化するため南西諸島への軍備強化を行っている。栗原さんは記者として、2006年からの取材で数多く現地に足を運んできた。「現実が進んでいる中で見えてきた真実を皆さんにお話したい」と冒頭挨拶されプロジェクターでの映像を交え90分にわたり話をされた。栗原さんが話をされると聞いたうずみ火読者からは10人以上の方が参加された。
南西諸島とは、鹿児島県の大隅諸島から沖縄県の与那国島へと連なる約1200キロメートルの「南西シフト」を表し(琉球弧)ている。2010年、新防衛大綱と中期防衛力強化計画で、中国を念頭に南西諸島の防衛体制強化の方針が出された。2014年、与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島(鹿児島県)への部隊配置が明記され、その後各島々に自衛隊が配備されてきた。
与那国島では、島が自衛隊誘致を巡り二分。2015年2月に住民投票が行われ、賛成633、反対455の結果誘致が決定された。翌年に駐屯地が開設され、160名の沿岸監視部隊が配備される。2022年には、公道を機動戦闘車両が走行した。2023年3月、最後のピースとして石垣島に550人配備され、ミサイル発射車両が200台搬入されている。
有事を想定した訓練が各島々で行われ、住民には、不安感を与え「もの言えぬ」状況を作り出している。私たち9条連・近畿は「現実を知る事、伝える事」を今回の学習会で改めて感じ、平和運動をさらに進める決意を新たにした。
9条連・近畿 事務局