10月7日、パレスチナのガザを支配するハマスがイスラエルへの大規模な越境攻撃を仕掛けた。これを受けたイスラエルはガザ北部に大規模な報復攻撃を準備している。そして17日には、ガザ地区の病院が砲撃され500人が死亡したとも伝えられている。現段階、イスラエル・パレスチナ双方で5100名を超える死者を数えるとの報道もなされているように軍事衝突が続く限り、戦闘は激しさを増し、悲劇と憎しみは再生産される。
私たち9条連は、いかなる歴史的経緯があろうとも、武力的手段での「解決」を策すハマス、イスラエル双方の人道に反する行為を強い憤りをもって糾弾する。
10月18日、国連安全保障理事会で議長国のブラジルが提案した「戦闘の一時中断」を求める決議案は、常任理事国であるアメリカの拒否権発動によって否決された。ウクライナ戦争をめぐっては、ロシアが拒否権を発動し、今もなお戦闘が続いている。もはや国連常任理事国に戦争停戦に向けた努力を期待することはできない。
このようなアメリカやロシアの「大国のエゴ」によって、犠牲になるのは常に弱い立場の子どもたち、女性、老人たちである。自らを戦闘とは無関係の場においき、決して傷つくことのない権力者どもが、自国のエゴを貫こうとする醜悪な姿を、私たちは決して許すことはできない。
私たちは日本国憲法前文に「われらは、いづれの国家も自国のことのみに専念して、他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる」と謳う憲法をもっている。今こそ日本政府は平和的解決の理念に則り、一刻も早く、戦闘を止め、話し合いによる解決の道を示す平和外交の役割をはたすことを強く求めるものである。
今後も9条連は日本国憲法の平和理念にもとづき世界平和を実現すべく、日本各地で「戦争反対」「即時停戦」「人命を守り抜く」ため労働組合・市民の皆さんと連帯を強化し、一切の戦争政策に反対していくものである。
憲法9条―世界へ未来へ 連絡会(9条連)