憲法9条-世界へ未来へ 連絡会

自民党 西田昌司(京都選挙区)「歴史書き換え」発言を糾弾!

      速やかに戦争体験者・沖縄県民に謝罪し、発言の撤回を強く求める!

 

 5月3日、自民党・西田参院議員は憲法記念日に那覇市で開かれたシンポジウムで「ひめゆりの塔」の説明をめぐり「日本軍が入ってきて、ひめゆり隊が死ぬことになった。アメリカが入ってきて沖縄は解放された。そういう文脈で書いている」さらに「沖縄の場合、地上戦の解釈を巡ってかなり無茶苦茶な教育のされ方をしている。自分たちが納得できる歴史をつくらないと、日本は独立できない」と資料館の展示を批判し、「歴史の書き換えに当たる」と持論を展開した。このような西田参院議員の発言は、沖縄戦の痛ましい県民の体験・記憶に一片の思いも馳せない無知に基づく暴言と言わざるを得ない。

 時あたかも80年前の今頃、沖縄は占領を企む米軍によって艦砲の嵐に見舞われ、県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦の只中にあった。第二次大戦の中でも、もっとも民間人を巻き込み多くの人命を奪い去った「沖縄戦」はおよそ人間を人間と見なさぬ無差別殺戮・蛮行であった。艦砲が降り注ぐなかを老若男女は北へ南へと逃げ惑い、そのなかで沖縄の若き学徒や女生徒たちも日本軍の指揮下でひめゆり学徒隊や鉄血勤皇隊といった部隊に組み込まれ、多くの子どもたちが犠牲になった。二度とくり返させてはならぬ惨劇である。これが歴史の真実であり沖縄戦の実相である。9条連は西田発言を満腔の怒りもって糾弾する。

 戦後80年。政治家も含めて「戦争を知らない世代」が大多数を占める時代となり、その体験や記憶の継承はこれまで以上に求められている。この間、私たちは沖縄に地に立ち沖縄戦の実相に迫り、戦争を二度とくり返させてはならないことを誓ってきた。今を生きる私たちには後世に平和な社会を受け継ぐ重大な責任がある。

 その思いを背に9条連は結成30年を迎える。これからも9条連は「日本国憲法の平和理念」を高々と掲げ、戦争放棄を決意した「憲法9条」を「世界へ未来へ」発信し、一切の戦争政策に反対していく。

 今まさに時代の転換期に立ち至っている。「新たな戦前」にむけ諸政策が進んでいる時だからこそ、為政者に翻弄され、騙されてきた「負の歴史」を忘れず、戦争反対の声をより高く、強く上げ、世界平和の実現を目指し奮闘していくことが求められている。

 9条連に結集する仲間の皆さん!

 この間、全国津々浦々から培ってきた連帯をさらに強め「憲法9条を守り、広める」ため広範なネットワークを築き上げ、これからも一切の戦争政策に反対していこうではないか! 共に奮闘しよう!

                                                                                                                                                       2025年5月20日

憲法9条ー世界へ未来へ 連絡会(9条連)