憲法9条-世界へ未来へ 連絡会

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「タイム誌」タイトルに岸田政権の“本音”が透けてみえる

赤い靴(神奈川県横浜市)

 米「タイム誌」の特集記事、岸田首相インタビューが何かと話題になっている。
 5月9日のウエブサイトで公開された記事のタイトルは「岸田総理大臣は、平和主義だった日本を軍事大国に変える」だそうだ。タイトルはそもそも内容を端的に表現されるものだから、インタビュー内容は推して知るべしである。このタイトルに日本政府が「抗議」?し、「タイム誌」は「岸田総理大臣は、平和主義だった日本に国際舞台でより積極的な役割を持たせようとしている」とタイトルを変更した。「軍事大国」という表現こそ削除されてはいるが、「平和主義だった」と過去形にするあたりに本音が透けて見えている。
 しかも現実をみれば、2027年までに軍事費をGDP比2%に大幅増額し、軍事予算を世界第3位にまで押し上げようとし、さらに敵基地攻撃能力の保有を決めたのは岸田政権に他ならない。そして台湾有事などを理由に沖縄や南西諸島に自衛隊基地、ミサイル基地建設を決め、「国防」の名の下に矢継ぎ早に軍備増強を進めていることは事実である。しかも国会議論を軽視し、国民世論を無視して。
 もっとも、この「変更」はウエブサイトに公開された「タイム誌」の表紙タイトルで、出版される雑誌の表紙は「岸田総理大臣は、何十年も続く平和主義を放棄し、自国を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と書かれてあるとのこと。余計なお世話かもしれないが、表紙の岸田首相の表情も、なんとも「悪人顔」である。言葉はごまかせても表情に本音が出ているのかも。G7を広島で開催し、核兵器廃絶を発信するのなら、その実を見せてほしいものだ。