烏帽子岩(神奈川県茅ケ崎市)
プロレタリア文学の巨匠・小林多喜二の「母・小林セキ」を演じた「劇団文化座・佐々木愛さん」の存在感は凄いものがった。佐々木愛さんは2時間近い舞台にほぼ出っぱなし。台詞の量は凄まじく膨大な上に秋田弁の優しい口調で演じられていた。「佐々木愛」さんの演技力・精神力・人間愛は舞台生活60年で培われたものであることを確信した。そして、この舞台にかける愛さんの気概・気力・体力は年齢を感じさせないものがあった。
演劇の中で表現されていた小林多喜二の家族は非常に明るい、貧乏だけどお互いに気持ちの通いあった、ほのぼのしさが漂っている一家だったことが想像できた。その様な家族な中で育った小林多喜二は貧乏な人を救うには世の中を変えなくてはいけないと考え,弱き者が救われる世を願って、その想いを小説に書き記したのだろう。
戦争と平和の危機が忍び寄ってきている現代社会、私たちは権力による思想・言論弾圧で戦争への道を突き進んできたことを忘れてはならない。9条連は平和・人権・民主主義を守る砦として存在し続けなければならいことを「母」の公演から実感した。