憲法9条-世界へ未来へ 連絡会

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映画「窓ぎわのトットちゃん」を観て

 

 P.Nオリオン(愛知県)

 「トットちゃん」は黒柳徹子さんの幼少期のあだ名で、戦前~戦中の生活を描いたのが今作だ。トットちゃんは落ち着きがなく、授業も集中できずに騒いでしまうため小学校を退学となってしまう。そんなトットちゃんを受け入れたのが「トモエ学園」だ。この学園の小林校長先生が教育熱心で、トットちゃんの話を同じ目線で何時間でも聞いたり、子供たちを𠮟りつけることなく伸び伸びと学ばせる姿勢を貫いている。足の不自由な少年と仲良くなり、木に登ったりプールで泳いだり街へ出かけてみたりと、自由な校風と個性豊かな友達に囲まれて、映画の前半は天真爛漫な子供の、純真な目を通した色彩鮮やかな日常が描かれている。
 しかし、日本の真珠湾攻撃から一変してしまう。ママ・パパは敵性言語だと矯正され、お弁当も満足のいく量は食べられない。街には軍人が闊歩し、身なりを質素にと𠮟りつけ、婦人会が贅沢は敵だと行進する。戦争が日常に溶け込んでいくのだ。ある出来事から、トットちゃんが逃げるように街を駆けるシーンがある。今までキラキラと輝いていた景色が色褪せ、死や戦争の狂気が隣合わせる描写に思わず恐怖した。絶対に同じ過ちを繰り返してはいけない。今、戦争が、防衛費増額や憲法改正など「日本を守る」というまやかしの言葉で、何食わぬ顔で日常を侵そうとしている。あらゆる戦争にもテロにも反対し、色鮮やかな日常を取り戻そう。